原理原則とは
どうですか?分かりましたか?「原理」とは分析の根拠になるもので、「製品が故障したのはサービスが不十分だからである」など、語尾が「~である」「~になる」等の表現になるものです。「原則」とは行動の指針のことで、「製品が故障したらまず謝る」など、語尾が「~する」「~させる」「~しない」等の表現になるものです。
それでは現象を「原理」の目線から見てみましょう。下の図をご覧ください。車のブレーキと情報システムのセキュリティの機能についての例です。現象的(表面的)な理解と本質(原理)的な理解では、その内容が大きく異なるのが分かりますね。
未来に向かって組織を持続させるには信念を持って価値を生む行為に挑まなければならない。プリンシプルがあれば構成員が自らを「駆り立てる」ことができる。組織の構成員がどう行動するかを自分で考え、原理原則に合っていれば自分で判断して前に進む。細かい業務プロセスやルールに縛られるより臨機応変に動ける。
原理原則に基づくということは、人間社会の道徳、倫理といわれるものを基準として、人として正しいことを正しいままに貫いていこうということです。
本質は1種類ではありません。分析の根拠である「原理」と、行動の指針である「原則」の2種類に分かれます。ちょっと難しいでしょうか?下の図を見てください。クレームが発生した場合の対応フローのうち、どの部分が「原理」「原則」にあたるかを解説したものです。
常に、原理原則を基準として判断していれば どんな局面でも迷うことはありません。
「プリンシプル」という言葉が気になっている。プリンシプルは原理や原則と訳される。組織活動においてプリンシプルは組織が従う基本事項を指す。Merriam-Websterのオンライン版辞書でprincipleを引いてみると”a comprehensive and fundamental law, doctrine, or assumption“または“a rule or code of conduct”と出ていた。law(法)やdoctrine(教義)やrule(規則)いう文字を眺めるとやや重苦しくなるが、何らかの活動を進めるときの前提(assumption)ということである。
プリンシプルすなわち原理や原則あるいは前提は組織ごとに決める。関係者が自分たちのプリンシプルを議論し、書き上げてこそ腹に落ちる。誰かに押し付けられたプリンシプルなど、すぐに忘れられるか無視されるのが落ちだ。
だからこそ、社長とは「別人格」であり、かつ、社長ほどの重圧がかからない立場である参謀の存在意義があるのです。参謀が、「原理原則」を軸に思考することによって、社長にしかるべき進言をすることこそが、社長を守ることであり、組織を守ることなのです。